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『図解 眠れなくなるほど面白い脂質の話』まとめ 

はじめに

 今回のは麻布大学生命・環境科学部教授 守口 徹 先生監修の『図解 眠れなくなるほど面白い脂質の話』という書籍のまとめを書きたいと思います。

監修者紹介

 監修者である 守口 徹 先生は麻布大学 生命・環境科学部教授。1982年、横浜市立大学を卒業後、製薬会社の薬理部門に勤務。国立がんセンター研究所、東京大学薬学部に出向後同大学で博士号を取得。1997年、客員研究員として米国国立衛生研究所脂肪酸と脳機能に関して研究。2020年3月からは日本脂質栄養学会の理事長も務める。

脂質

 ダイエットや健康を考えると「油は控えるべき」というイメージがあるが、脂質は我々の体を動かすエネルギーになるほか、我々の体内に37兆個もある細胞の膜を作っているものであり、油(=脂質)は生きていくために必ず摂らなければならないものである。

脂質を構成する脂肪酸

 脂質とは一般的には中性脂肪のことを指すが、これはグリセロールという物質に脂肪酸が3つ結合した構成をしている。この脂肪酸は4種類に大別され、固まりやすさや栄養面などそれぞれ特徴が異なる。つまり、その油脂がどのような脂肪酸で構成されているかが油脂の特徴を決定づけている。

 脂肪酸は分子構造としては炭素、酸素、水素の3種類の原子からなる。炭素が数珠のようにつながり、その周りを水素が取り囲むような形をしている。この炭素のつながる数が脂肪酸によって違い、それが特徴の違いとなって現れる。

 この時、炭素のつながる数が少ないものは『短鎖脂肪酸』、中くらいのものは『中鎖脂肪酸』、多いものは『長鎖脂肪酸』という。脂肪酸は炭素の数が少ないほど代謝しやすいという特徴があり、中鎖脂肪酸は炭素の数が比較的少ない点で『燃えやすい脂肪酸』として注目されている。

飽和脂肪酸不飽和脂肪酸

 脂肪酸の種類は大きく分けると飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の2種類に分けられる。

 飽和脂肪酸  → 分子構造がしっかりしていて油脂として固い。常温で固体

 不飽和脂肪酸 → 分子構造が弱くて粘性が低い。常温で液体

脂肪酸の種類

 常温で固体の脂に多く含まれる飽和脂肪酸。ココナッツオイルやパームオイル等植物性の脂の主成分であるラウリン酸やミリスチン酸、特にラウリン酸は消化に良い中鎖脂肪酸として注目されている。一方、牛脂やラードに含まれるパルミチン酸やステアリン酸は体に溜まりやすい長鎖脂肪酸で、摂り過ぎると動脈硬化などのリスクを高める。

 次に、油に含まれる不飽和脂肪酸のうち、体内でも作れる一価不飽和脂肪酸。この一価不飽和脂肪酸の代表的なものはオリーブオイルの主成分であるオレイン酸である。オレイン酸は酸化しにくく、熱にも強く、扱いやすいのが長所だが、摂り過ぎると肥満につながる。

 そして、不飽和脂肪酸のうち、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸。最も身近なものに多くのサラダ油に含まれるリノール酸があります。ただ、この脂肪酸は大豆や小麦、米などにも含まれており、無意識に摂り過ぎている可能性がある。一方、『健康に良い』とよく言われるEPADHAは魚をあまり食べなくなった現代人には不足しがちな脂肪酸であるため意識してとるべきである。

太りやすい脂質、太りにくい脂質

 常温で固体の脂は体内でも固まって蓄積しやすいため太りやすく、常温で液体の油は体内でもサラサラでエネルギーとして消費されやすいため太りにくい。例えば、肉の脂身を多く食べれば脂質の量が控えめでも太りやすいし、その分をEPADHAの豊富な魚油に変えれば太りにくくなる。

オメガ○

 『オメガ~系』とは不飽和脂肪酸を特徴の違いから種類分けした呼び名である。同じ不飽和脂肪酸でも『系』ごとにからだへの作用が異なる。

 基本的にはオメガ3系、6系、9系の3つに分けられる。

 このうち重要なのが、多価不飽和脂肪酸が『オメガ3系』と『オメガ6系』に分かれることである。この両者は『オメガ3系は細胞膜を柔らかくしオメガ6系は固くする』という相反する働きを持ち、どちらかに偏ると細胞膜のバランスが崩れてしまう。

 問題は、世の中にはオメガ3系に比べてオメガ6系を含む油が圧倒的に多く、オメガ6系に偏った食生活になっていることである。そのため、最近ではオメガ3系を摂れる魚油やえごま油が体に良いと言われる理由である。

 一方、中立的な立場なのがオメガ9系である。このオメガ9系は必須脂肪酸ではないため積極的に摂る必要はないが、オメガ6系の摂り過ぎを防ぐための代用となるものである。

精神機能への油の影響

 近年増加しているうつや認知症を含む精神機能の不安な状態を引き起こす要因の一つが『脳の油不足』だと言われている。あまり知られていないが、人間の脳はその約65%が脂質でできており、脳が必要とする油を摂ることは正常な脳の働きには欠かせない。

 しかし、日本人の食生活が変わってしまったことによりオメガ6系脂肪酸の摂取量が激増している。一方、魚介類に多く含まれるオメガ3系脂肪酸の摂取量が減り、脂肪酸のバランスが崩れている。そのことが脳の正常な機能を妨げ、精神的な不安定さや気分障害を引き起こす一因となっている。

アレルギーに関与する油

 リノール酸を含む油は、花粉症やアトピー、喘息といったアレルギー性疾患の症状を悪化させたり、アレルギー反応を加速させたりと全くいいところがない。一方で、アレルギー症状の緩和に効果がある油も見つかっている。それがえごま油やアマニ油などの『オメガ3系脂肪酸』である。

トランス脂肪酸

 不飽和脂肪酸には『シス型』『トランス型』の2種類があり、前者は天然の油、後者は何らかの加工が加えられた人工油脂に多いと言われている。この『何らかの加工』というのが問題で、多くの場合、常温では液体の植物油脂を化学処理によって固体化、さらに酸化しにくい(消費期限が長い)性質に変化させる。そして、その過程で多量のトランス脂肪酸が発生する。

 このトランス脂肪酸は摂取すると主に心臓に蓄積され、心臓病や糖尿病などのリスクを高めるといわれている。すでに米国では食品への使用が全面禁止となっており、日本でもその危険性を注視しておくべきである。

話題の油①えごま油

 オメガ3系脂肪酸を摂取するのに最も理想的なオイルが『えごま油』である。

 えごま油が健康に良いといわれる大きな理由の一つが、花粉症やアトピー等のアレルギー反応の抑制、動脈硬化心筋梗塞脳卒中などの生活習慣用のリスク低減が期待できる『α-リノレン酸』が豊富に含まれていることが挙げられる。この『α-リノレン酸』が体内でEPADHAに変わり、エイコサノイドやドコサノイドという生理活性物質を産生する。この物質は血圧を低下させたり、血管を拡張させる作用を持つため、全身の血流を促すことから、多くの体に良い効果を生み出す。

 注意として、えごま油は加熱調理には適さないため卵かけご飯やみそ汁、納豆にかけたり、ドレッシングのベースにするなどの食べ方が適している。

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話題の油➁アマニ油

 織物のリネンの原材料となる亜麻の種子を、その栄養分を損なわないように低温圧搾で抽出された油。えごま油とほぼ同等の脂肪酸組成比率で、『α-リノレン酸』が55%以上と高濃度で含有されており、その他にオレイン酸リノール酸もえごま油とほぼ同程度含まれる。

 えごま油と同様に酸化が進みやすいため、遮光瓶に入れ冷蔵庫で保管する

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話題の油③サチャインチオイル

 ペルーのアマゾン熱帯雨林地域が原産で、その原材料となるサチャインチの種子を低温圧搾して油を抽出している。近年になって栄養成分が豊富にあることが知られるようになり、15年ほど前から食用油として利用されるようになった。このサチャインチオイルにも『α-リノレン酸が豊富に含まれたオメガ3系脂肪酸の油である。

 栄養面における特徴は、植物油の中でもヒスタミンEの含有量が極めて高いこと。このヒスタミンEは血流促進作用があり、身体の冷えや肩こりに有用なだけではなく、抗酸化作用もあるため、体内の新陳代謝を促し、肌の健康を保つのに高い効果が期待できる。

 サチャインチオイルはオメガ3系脂肪酸の油の中では比較的加熱調理に強いため、短時間の炒め物などに利用することも可能である。

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話題の油④MCTオイル

 ココナッツやパームの種子に含まれる天然成分の中鎖脂肪酸を抽出し、100%中鎖脂肪酸だけで構成された油をMCTオイルと呼ぶ。

 この中鎖脂肪酸は小さい形の油であるため、他の油とは異なり、消化の際に酵素を必要としない。そのため、直接肝臓に運ばれ、そのままエネルギーとして使われる。一般的な油の長鎖脂肪酸と比較した場合、4~5倍ほどエネルギー効率が高いことが大きな特徴である。

 このように、早くエネルギーに変わるという特性から『身体に残りにくい油』として注目され、特に授乳やトレーニングの前など、すぐにエネルギーを必要とする場合に有用な油といえる。しかし、あくまで『身体に残りにくい』だけで、決して『やせる油』ではないので過度な期待をして普段の食生活に過剰に取り入れるのはおすすめできない。

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おわりに

 運動効果を高めるためには栄養面の知識は必要不可欠だと思います。しかし、栄養の勉強をすると内容が難しくてど~しても眠くなってしまう。。。ところが、今回まとめを書いた 守口 徹 先生の『図解 眠れなくなるほど面白い脂質の話』は脂質について分かりやすく書いてあり、しかも非常に読みやすい。栄養学関連の本で初めて眠くならずに最後まで読めた本でした。

 今回のテーマである脂質は多くの方にとって特に興味のある栄養素なのではないかと思います。そんな脂質について分かりやすく、しかも読みやすく書いてある本書は私のように栄養の勉強をしたいが実際に始めると眠くなるという方にはぜひお薦めです。

参考文献

図解 眠れなくなるほど面白い脂質の話    守口 徹 監修   日本文芸社

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